質問タイプとその用途

質問タイプとその用途

Read Time: 5 Minutes

サーベイを作成するにあたり最初に行うことは、トピック、目標、ターゲット、またはサーベイでテストしてみたい仮説を設定することです。その次の段階で、それらの知見を得る最良の方法を決定します。サーベイのフローを組み立てたら、テーマごと、関連付けたほうが自然な観点やセグメントごとなどにグルーピングを行います。これで質問を作り始める準備が整いました。

質問には、単一回答、複数回答、自由回答の3つの基本的なカテゴリーがあります。これらの3つのカテゴリーから、ランキングやマトリクスなど、より複雑な質問を作成することもできます。質問を作成する際には、1つの複雑な質問よりも、いくつかのシンプルな質問をした方が良い、ということを覚えておきましょう。ここでは、質問タイプ、一般的な組み合わせ、質問作成の経験則について掘り下げてみましょう。

質問タイプ

単一回答形式:単一の回答を必要とする場合に使用される質問形式

  • 基本 シンプルな「以下から1つ選んで下さい」という方式の選択肢
  • ネットプロモータースコア(NPS)/格付け法 意見を問うための計量的な質問(通常は 1–5、1–7、1–10 の点数を使用)
  • マトリックス回答形式/評価グリッド法 上記のいずれかの方式を、いくつかのテーマにわたって組み合わせて質問をする方法(例:「 以下のファストフードチェーンを1-5で評価してください」と記述して、行に選択肢、列が評価となるように配置する。)

複数回答形式:1つのトピックに対して複数の回答を必要とする場合にもっともよく使用される質問形式

  • 基本 シンプルな「あてはまるものをすべて選んでください」という方式の質問
  • 順位付け 複数選択回答を求める質問で、提示された選択肢の一部をある条件のもとで比較したい場合(例:以下のリストの中から、あなたの評価するCRM(顧客関係管理)ソリューションのトップ3を選んでください」)
  • マトリックス回答形式/評価グリッド法 いくつかのテーマにわたって複数回答形式の質問を使う方法(例:「次のプロバイダに対してあなたのサブスクリプション契約に含まれている製品を選択してください」)

自由回答形式:次のどちらかの場合にもっともよく使用される質問形式
1)提示すべき回答の選択肢が分からないとき
2)忌憚のない意見や見解が必要なとき

  • フルエッセイ 複数の文章での回答を求める場合
  • ブリーフステートメント いくつかのワードまたはフレーズを求める場合
  • フォローアップ すでに質問したことに関する更なる質問(例:特定の質問に関する経験を「その経験について1 -10(10が最高得点)で評価してください」という問いに続いて、「この評価に当たって、どのようなことがあなたの経験に影響しましたか」と問うもの)
  • その他(「記述してください」方式の質問) 単一または複数選択の質問の中に小さなテキストボックスを設定して、リストにない選択肢のインサイトを収集する質問

一般的な質問の組み合わせ

詳細を得るためにさまざまな質問や質問のタイプを組み合わせることは、科学であると同時にアートでもあります。いくつかの例をあげて考えてみましょう。

求めている情報を問う質問を考えるとき、ついつい自分の考えていることをそのまま質問してしまいがちです。例えば、トイレットペーパー1ロールにいくら費やしているかをリサーチしたい場合、このまま聞いては直接的すぎます。その代わりに、以下のように質問してみると良いでしょう。

  1. 「次の商品のうち、過去半年間に購入したものはどれですか?」という質問で始めます。(複数回答)
  2. 「あなたが購入したこれらの商品のうち、その価格の詳細を覚えているものはどれですか?」という質問で必要なメトリックを確認します。(複数回答)
  3. 上記の質問で回答者が「トイレットペーパー」を選んだと仮定し、「トイレットペーパーを購入するときに、いつも何ロール入りを購入しますか?」と聞いてみましょう。(単一回答)
  4. 最後に価格を聞きます。「1回あたりのトイレットペーパーの購入に、平均でいくら費やしていますか?」( 単一回答)

もう1つのよい組み合わせは、さまざまな複数回答形式の質問(一つは順位付け)を組み合わせて使うことです。例えば、どの給与計算ソフトが中小企業に好まれているかを知る必要があるとしましょう。もちろん、中小企業を対象にしてサーベイを行うわけですが、潜在的な選択肢の順位を得たい場合、いくつかの方法があります。

  1. 回答者に給与計算ソフトのすべてのリストを提供し、その全リストに対して順位付けをしてもらう
    これは、回答者から貴重な時間をうばう、やっかいな質問となる可能性が高く、最適なデータを得ることは難しいでしょう。回答者がそのソフトの4分の1しか知らない場合に、その人は残りの順位付けを当てずっぽうで行うしかなく、データに歪みが生じます。
  2. 回答者に給与計算ソフトのすべてのリストを提供し、認知や経験に基づいて上位3つを順位付けしてもらう
    これはすべてのリストを順位付けするより効果的ですが、回答者が3つ以上のソリューションを知っている場合、さらなるインサイトを得るチャンスを逃す可能性があります。
  3. 2 つの質問に分割する
    まず、回答者に全てのリストを提供し、認知しているすべての給与計算ソフトを選択してもらいます。次に質問1で回答した給与計算ソフトに対してのみ、認知や経験に基づいて順位付けしてもらいます。こうすることで、質問を完了するまでの時間を短縮でき、そのソフトウェアブランドの親しみやすさに応じた包括的なデータセットを得ることができます。

ニーズに応じて、さまざまな組み合わせが可能です。その可能性は無限大にあります。しかし、どのような場合でも、それぞれの質問が次の質問へスムーズにつながり、簡単に理解できるものにしましょう。そうすることで、サーベイのベストプラクティスに近づくでしょう。

質問のための一般的なガイドライン

質問を作成するときに考慮すべき点はいくつかありますが、その中には特に重要なものがあります。以下に、質問の作成において必ず考慮すべき重要な観点をご紹介します。

  1. 回答者がその質問に答えられるかどうかを確認すること
    例えば、A)回答者が情報を共有できること、つまり回答には機密情報が含まれないこと、B)回答者が実際に答えを知っていることを確認しておきましょう。情報は、その回答者が持っていると想定される知識や経験に関連するものでなければなりません。
  2. 質問はストレートに聞くこと
    質問は可能な限りベーシックなものであるべきです。質問の作成者は自分が何を聞こうとしているかを正確に理解していますが、回答者はそうではないかもしれません。複雑なテーマを扱う場合に、この点は特に重要なります。
  3. 質問は本当に必要なことだけにする
    サーベイを簡潔で直接的なものにすることで、質の高い、まとまりのあるデータを収集することができます。

GLGサーベイシリーズの他の記事


定量調査の基本と効果的な戦略をまとめたeBook「結果を出すためのサーベイ戦略」も無料でダウンロードいただけます。

GLGでは、世界で100万人の有識者を対象としたB2B調査、GLGサーベイをご提供しています。特定分野、業界専門家への調査ニーズがございましたら、お気軽にご相談ください。

ニュースレター登録(無料)

業界の最新動向、無料ウェビナー情報、活用事例などをお届けしています。(メールは英語です。)