調査回答者への適切なリーチ方法

調査回答者への適切なリーチ方法

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サーベイに答えてもらうことは、簡単なことではありません。回答者のまわりには気が散るものがたくさんあり、誰かの時間と注意を引き付けておくには戦略的な努力が必要です。様々なノイズの中で目立つためには、アクセスしやすく、なじみのある場所で出会うのが一番です。


良いデータを収集するためには、まずサーベイに回答してもらう必要があります。サーベイへの参加者を増やすためのコツは、対象者がいるところにリーチすることです。オンラインでも、電話でも、対面でも、回答者にとってサーベイが簡単で利用しやすいものになることを目指しましょう。

以下は、一般的な4つのサーベイの種類と、それぞれの長所と短所です。

1.オンライン/ウェブサーベイ

ITが普及している昨今ではオンラインサーベイが好まれ、もっとも一般的になっています。

長所:

  • 世界中のどこにいる人にもリーチすることができ、回答者の都合に合わせて自由な時間にサーベイに回答してもらうことができる
  • 複雑な質問でも簡単に理解でき、答えやすい方法で質問できる
  • サーベイロジックが回答者の体験を向上。前の質問への回答に基づいて、もっとも関連性の高い質問のみ表示される
  • データの収集と分析が構造化され、自動化された方法で行われるため、サーベイ実施者の効率を著しく向上できる
  • サーベイをもっとも安価に実施できる

短所:

  • 他のメールやメッセージなどの中に埋もれやすい
  • 回答者が使用しているデバイスの他のアプリや回答中に届く通知に気をとられやすい
  • オンラインサーベイではリーチしづらい層がいる。インターネットはどこにでもあるが、誰もが日常的に使用しているわけではない。例えば、インターネットを全く使わない高齢者もいるし、全く使っていない人もいる。沖で作業している石油採掘業者など、頻繁にメールやインターネットにアクセスできない人もいる

2.電話サーベイ

オンラインのサーベイでは不十分な場合、電話によるサーベイが効果的です。電話によるサーベイもオンラインサーベイのプラットフォームを介して行われますが、電話担当者はトークスクリプトを使用しており、回答のみをデジタルで収集します。

長所:

  • ほとんどすべての人が何らかの方法でアクセスすることができ、つながる可能性が高い
  • 電話によるサーベイでも、構造化されたデータと自動分析が可能
  • 様々な人にアクセスが可能。オンラインサーベイと併せて実施することで、それぞれの調査方法に特有のサンプルの偏りを平準化することができ
  • 回答者が回答に注意を傾けてくれるという点で、中間的な役割を果たす。この観点では対面のサーベイには及ばないが、オンラインサーベイより効果的である

短所:

  • オンラインサーベイに比べると、実施のためのコストが割高になる
  • 電話担当者が回答者に質問を読み上げる分だけ時間がかかる
  • 質問はベーシックなものでなければならない。回答者は、回答が終わるまで、質問だけでなく全ての回答の選択肢を記憶しておくことが難しいと感じる可能性がある

3.対面サーベイ

アカデミックや臨床の現場でもっとも一般的に使用されています。対面のサーベイは、テクノロジーの恩恵を受けつつ人間的な要素が加わることで、より深いレベルの回答を引き出すことができます。

長所:

  • 回答者の心をつかむ最も効果的な方法。サーベイの最中に他のものに気を取られることがない
  • ファシリテーターと回答者との間に信頼関係を築くことができるため、匿名形式では出てこなかったであろう情報を得られることがある

短所:

  • ソーシャルバイアスの影響を受けやすい。回答者はデリケートなテーマに対しては自身に誠実な答えよりも社会規範に従った答えを出す可能性がある。典型的な例のひとつとして、一週間に飲むアルコールの量はたいてい低い数字が申告される
  • 回答者が出張してしまうこともあるため、スケジュールをあわせることが難しい

4.質問紙サーベイ

かつてほど普及していないものの、現在のサーベイメソッドの起源という意味で言及に値するサーベイです。

長所:

  • パソコンや電話が使えない場所や、インターネットの受信状況が不安定、または、受信環境がない場合に有効
  • フィールド調査に適している

短所:

  • サーベイロジックを適用するのが難しく、回答者もその意図に沿うことが難しい
  • データの集計はマニュアルで、人手を要する
  • ほとんどの人は答えを書き出すことを好まないため、自由記述形式の質問の数が制限される

企業で実施されるほとんどのサーベイは、オンラインか電話で行われます。最適なリーチ方法を検討する際はターゲット層の特徴や傾向を考え、それぞれの調査方法の長所と短所を比較し、回答者にとって好ましい環境でアプローチしましょう。そうすれば、回収率の上昇が期待できます。


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