なぜ、スクリーニング調査が思わぬ結果を招くのか

なぜ、スクリーニング調査が思わぬ結果を招くのか

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強力に設計されたスクリーニングセクションは、調査に適切な人々を招き入れ、サーベイの質問に効果的に答えることができない人々を除外し、適格でない人々に関する貴重な情報を提供し、潜在的な問題をよりよく診断するのに役立つでしょう。


さまざまなシーンにおいて、私たちは適任者を探そうと努力します。例えば、医師から何らかの意見が欲しい時には、対応できる適切な専門医を探します。受託業者に意見を求めるときは、適切なスキルを持った業者を紹介してもらいます。

サーベイを実施する時も同じです。しかし、調査前に適切な回答者を特定するのは容易ではありません。そのため、すべてのサーベイにスクリーニングセクションを設ける必要があります。あなたはこれまでも適切だと思われるグループを幅広くターゲットにしてきた経験があるかもしれませんが、うまく設計されたスクリーニングを活用すると、適切な人々を見つけるために必要なより細かな調整を行うことができます。

粗削りなスクリーニングセクションの落とし穴

粗削りなスクリーニングセクションは、不適格な人々をパスさせてしまう可能性も、適切な人々を取りこぼしてしまう可能性もあります。これは通常、不適格な回答者を排除しようと厳格な基準を設けすぎるあまり、しばしば起こってしまうことでもあります。実際の世界は複雑なので、厳格な基準とターゲット層の理解との間でバランスをとる必要があります。

粗削りなスクリーニングの実例

サイバーセキュリティープラットフォームの調達の意思決定者を対象にサーベイを行う場合を考えてみましょう。ターゲットは最高情報セキュリティ責任者(CISO)であるため、CISOのみがサーベイに参加できるようスクリーニングセクションを設計したとします。

ところが、すべての会社にCISOというポジションが存在しているわけではありません。多くの会社では、CIOやCTOがこの責務を担っています。会社が異なれば肩書が意味するところも異なります。すべての想定される結果を解決する必要はありませんが、起こりうる可能性の80%から90%を捕捉することを目標にしましょう。

プロから学ぶ、強固なスクリーニングセクションを設計するためのヒント

何をしてはいけないかが分かったところで、ここでは正しい方法でスクリーニングセクションを構築するための秘訣を学びます。目標は、選別基準を満たさない回答者をサーベイから除外することです。不適切な回答は、「ご参加ありがとうございました。残念ながら、あなたは本調査の適格者ではありませんでした。」というメッセージを表示するトリガーになります。以下の各ステップは、この目標を達成するのに役立ちます。

  • 本当のサーベイテーマを可能な限り隠す
    サーベイのテーマを隠すことで、適切な回答が予測され、サーベイを意図的に操作されてしまうことを防ぐことができます。例えば、フォルジャーズ・コーヒーの顧客を対象としたサーベイを実施したい場合、まず家庭で購入する飲料の種類(牛乳、ジュース、コーヒー、エナジードリンクなど)について質問します。次に、コーヒーを購入する人に、購入するコーヒーのブランド(マックスウェルハウス、フォルジャーズ、ピーツ、グリーンマウンテンなど)について質問します。回答者には、そのサーベイに参加するための正しい回答が絶対に分からないようにしておきます。
  • 「はい」/「いいえ」で答えられる質問をしない
    想定される範囲の様々な選択肢を提示し、回答者が正しい回答を選択することによって選別されるようにします。例えば、「あなたはCISOですか」と質問するのではなく、「あなたの役職を教えて下さい」と質問し、4 ~ 5つの他の役職を示す選択肢のなかにCISOという選択肢を混ぜておくようにしましょう。先ほどの例のように、おそらく複数の選択肢が適格となるでしょう。
  •  関係のない選択肢を1つか2つ答えの中に入れておく
    これは偽の選択肢で、注意を払わない回答者、あるいは、より適格と思われる選択肢を選ぼうとする回答者を振るい落とすために使用します。
  • もっとも広範な質問から始めて絞り込む
    スクリーニングセクションでは、質問が進むにつれてより多くの回答者を絞り込んでいく必要があります。こうすることで、回答率の低さの原因がどこにあるのかをより簡単に明らかにすることができるようになります。問題を素早く診断して調整することは、サーベイにおいてとても重要です。
    • 意図的かつ簡潔に
    回答者の疲労を軽減するため、スクリーニングセクションのすべての質問は不適格者のサーベイをただちに終了させる仕組みを持つべきです。スクリーニングセクションはできるだけ簡潔に作り、最後に回答者がサーベイ対象者であることを知らせるコメントを入れましょう。
  • おまけのヒント:市場シェア率を評価するためにスクリーニングを使用する
    サーベイの目的の一つが市場への浸透度を評価することである場合、スクリーニング調査でその目的を達成することができます。統計的に代表性のあるサーベイを設計する場合、振り落とされた回答者の数を適格な回答者の数と比較することで、より大きな母集団における市場浸透度を把握することができます。

これらのサーベイの設計原理に従って適切な回答者がサーベイに参加することで、データの質を改善することができます。データの質は良ければ良いに越したことはありません。より良いデータは、より確実な結果をもたらします。


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