エキスパート・ネットワークとは何か?

エキスパート・ネットワークとは何か?

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エキスパート・ネットワークは、特定の業界や分野で深い経験を持つ有識者/専門家と企業をつないでいます。有識者は、ビジネスリーダーや投資家が、より多くの情報に基づいた意思決定をするのに役立つ、貴重なインサイトを提供しています。エキスパート・ネットワークは、企業が対象顧客、業界、市場についてより深く理解するための、経験に基づくインサイトへのアクセスを提供しています。GLGは、1998年にニューヨークで設立した世界で最初のエキスパート・ネットワークであり、現在の業界を築き上げてきた業界の先駆者です。

専門知識は簡単に手に入るものではありません。The Atlanticに掲載された記事の中で、バード大学人文科学客員教授でアメリカン・エンタープライズ研究所非常勤研究員であるトーマス・チャタートン・ウィリアムズ氏は、「我々はかつてないほど多くの視点、アイデア、情報にアクセスできるようになりました。その多くは、一時的には面白いですが、最終的には取るに足らないものです。専門知識はもちろんのこと、知恵とも混同すべきではありません。」と述べています。

エキスパート・ネットワークは、どのような専門知識を提供しているのでしょうか?

エキスパート・ネットワークは情報と知見との違い理解し、クライアント企業のニーズを満たすことができる有識者をリクルーティングしています。また、適切なインサイトを提供するために、有識者を厳正に審査することに努めています。多くのグローバル・エキスパート・ネットワークは金融業界を対象とし、プライベート・エクイティ企業やヘッジファンドなどにサービスを提供しています。GLGは、対象業界がとても幅広く、事業会社(テクノロジー、製薬、バイオテクノロジー、医療機器・診断機器、消費財、他)、コンサルティングファームなど、あらゆる業界の企業を支援しています。

有識者は、学術界、政府、産業界などを含む、幅広い幅広いバックグラウンドを持っています。例えば、GLGのエキスパート・ネットワークには、実務家からCレベルのエグゼクティブまで、幅広い専門知識と経験を持つ有識者が含まれています。有識者がネットワークに参加すると、まず、クライアント企業とのやりとりに関するトレーニングを受けます。その後、専門分野に基づいて案件のマッチングが行われます。GLGでは、ネットワークへの参加時に、コンプライアンスに関するトレーニングの受講を義務付けています。

クライアント企業は、デスクリサーチでは得られない情報やインサイトを得るために、エキスパート・ネットワークを利用しています。エキスパート・ネットワークを利用することで、さまざまな視点を素早く集めたり、トピックを異なる角度から見ることができるようにもなります。有識者視点は、事業会社のエグゼクティブ、顧客、元顧客、競合他社など、さまざまな立場の人から得ることができます。業界動向、競合情報、市場予測などを入手することも可能です。

エキスパート・ネットワークの活用方法

有識者が提供してくれる専門知識は、業界や市場を理解する上で欠かせません。多くの視点を自由に活用することで、クライアント企業は市場を素早く深く理解し、顧客のニーズやペインポイント、競合他社、市場のギャップなどのインサイトを得ることができます。

多くのエキスパート・ネットワークで利用可能な標準的なサービスは『有識者インタビュー(スポットコンサル)』です。有識者インタビューは、クライアント企業が関連する業界や特定の企業の有識者と、電話やオンラインで対話できる1対1の通話であり、多くの場合一時間を基準としているコンサルテーションサービスです。有識者の過去の経験に基づき、その専門分野に特化した、他では入手困難なインサイトを得ることができます。GLGでは、1対1のインタビュー以外にも、フォーカスグループや、綿密にセグメントした有識者を対象にした市場調査など、定性・定量調査の様々サービスを提供しています。

エキスパート・ネットワークを活用するメリットとは?

エキスパート・ネットワークを活用する、重要な利点の1つは、異なる専門分野を持つ幅広い有識者へのアクセスが可能であることです。例えば、ヘルスケア業界に関心のある投資家は、医薬品開発、医療機器、ヘルスケア政策などさまざまな分野の有識者に話を聞きたいと思うかもしれません。GLGのようなエキスパート・ネットワークでは、他の手段では見つけることが難しい、これらの分野の有識者へのアクセスを提供することができます。

また、エキスパート・ネットワークは、クライアント企業と有識者がブラインド(お互いの企業や個人名を伏せて)でコミュニケーションを行うことを可能にしています。例えば、GLGのクライアント企業は、バイアスや憶測が生じる可能性を最小限にするために、ブラインドで対話することを選択することがあります。有識者が共有できる情報には、機密情報を共有しないことなどを含め、一定の制約があることを理解しておくことが重要です。優れたエキスパート・ネットワークは、情報交換を制限する厳格なコンプライアンス基準を導入し、クライアント企業と有識者の双方を潜在的なリスクから保護しています。

もう一つの利点は、投資家が業界のインサイトにアクセスするための、より効率的で費用対効果の高い方法を提供していることです。エキスパート・ネットワークを活用すると、比較的短期間に、低コストで、幅広い業界・分野の有識者にアクセスすることができます。エキスパート・ネットワークを探す際は、研究や調査の目標達成を支援してくれる有識者の経験の深さだけでなく、そのインサイトを支えるネットワークの経験の深さも重視する必要があります。


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