【調査結果】車載用半導体サプライチェーン

世界の半導体サプライチェーンは、COVID-19によってすでに大きな影響を受けていましたが、ロシアのウクライナ侵攻により、さらに深刻な打撃を受けました。ロシアとウクライナは、半導体製造において最も重要な材料であるネオンとパラジウムの主要な供給元であり、半導体メーカーにとってその代替となる供給先はほとんどありません。

このような課題は、自動車メーカーにも波及しています。2023年1月、eeNews Europeは、「致命的な」チップ不足により、英国の2022年の自動車生産台数が9.8%減少したと報じました。

調査対象者・パネルの属性

GLGは、これらの要因が各業界に与える影響を把握するため、米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国のエグゼクティブ60名を対象に調査を実施しました。回答者は、Cレベルの経営層からマネージャーまで幅広い役職にわたり、業種は、半導体製造／開発、半導体流通、自動車の3つのカテゴリーに分類されます。

半導体産業への影響

GLGの車載用半導体に関する調査結果では、半導体サプライチェーンの課題による影響は、現在、複数の業界に及んでいることが明らかになりました。調査に回答したエグゼクティブの半数近く（45％）が、マイクロプロセッサ・コントロール・ユニット（MCU）が最も影響を受けていると回答しました。これは、サプライチェーンに影響を与える力と、電気自動車（EV）の台頭により、世界中でMCUに対する需要が高まっていることの両方が影響していると考えられます。

多くの回答者が、サプライチェーンの課題が自動車メーカーに大きな影響を及ぼしていると回答しました。約70%の回答者が、サプライチェーンの課題のために自動車の生産ラインが閉鎖されたり、人気のある機能が提供されなくなったりしたと回答しています。ICE（内燃機関）よりもEV（電気自動車）の生産に影響があると答えた人は比較的少なく、65％でした。

 

回復への予測

調査対象となったCEOは、回復の時期について比較的意見が分かれました。半数弱（47％）の回答者は、2024年の前半または後半に業界が回復すると回答し、41％は2023年中に回復すると回答しました。

まとめ

GLGの車載用半導体に関する調査では、サプライチェーンの問題が業界に大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。本調査では、上記のデータに加え、業界全体と自動車業界に影響を与えている半導体不足の共通原因、半導体不足の影響を受ける自動車領域の機能、チップ生産のボトルネックとなっている上位の制約などについてのインサイトを提供しています。また、この調査は、少なくとも短期的には半導体不足が続くというエグゼクティブの認識と、彼らがその間に事業を成功させるための方法を見つけるための計画をしていることを示しています。

 

＊本調査結果は、GLGが2022年11月に実施したネットワークサーベイ“The Automotive Semiconductor Supply Chain”からの抜粋です。調査結果全文にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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GLGネットワークサーベイとは

GLGネットワークサーベイは、市場動向やトレンドについて業界の専門家を対象に調査を実施したもので、その結果をレポートにて提供しています。各調査は特定の業界に焦点を当てており、回答者はその業界の最新動向について深い専門知識を持つ方のみに限定されています。調査の内容が適切であることを確実にするため、ネットワークサーベイチームは、業界に精通したGLGアドバイザー（特定業界の専門家）と協力してアンケートを作成しています。GLGでは現在、さまざまな業界にわたって、毎月約12件のネットワークサーベイを実施しています。

GLGネットワークサーベイの標準的な納品物は以下の通りです。

• 調査回答／Excelのローデータ
• データを集計した PPTレポート
• 主要な要点と結論を含むエグゼクティブサマリー（特定トピックの調査のみ）
• 調査結果の詳細なパワーポイント報告書を、GLGアドバイザーがウェブキャストで発表（特定トピックの調査のみ）

＊2023年3月現在、納品物はすべて英語で提供しています。

GLGネットワークサーベイご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。