【調査結果】半導体サプライチェーン

2020年初頭、COVID-19は世界を驚愕させました。その結果起こったロックダウンにより、新車需要が崩壊し、自動車セクターからの半導体の受注が大幅に減少しました。一方で、ホームホームオフィス、広帯域ネットワーク、ゲームなどの他の半導体セクターは需要が急増し、半導体の供給能力が枯渇しました。2020年第４四半期後半に自動車の半導体需要が回復した際、業界は現実に直面し、サプライチェーンの前例のない途絶を経験しました。

調査対象者・パネルの属性

GLGは、半導体のサプライチェーンにおける現在の市場ダイナミクスについて理解するため、米国（33%）、英国（17%）、フランス（17%）、ドイツ（17%）、台湾（8%）、韓国（8%）のエグゼクティブ60名を対象に調査を実施しました。調査対象者は、Cレベルの経営層30%、調達プロフェッショナル28％、プロジェクト／プロダクトマネージャー15％、R&Dプロフェッショナル13％、製造プロフェッショナル5％、サプライチェーンプロフェッショナル5％、資源計画プロフェッショナル3％という内訳でした。

回答者は、半導体装置メーカー、ウェーハサプライヤー、ファウンドリ、半導体IDM、OEM、OSAT、ティア1、ディストリビューター、などを含む、さまざまなタイプの会社に所属しています。また、回答者はいずれも知識が豊富で、在庫レベルの予測など、企業が今後の潜在的な不足を管理するために行っている戦略的変更について説明する能力がありました。

 

異なる半導体ノード、異なるサプライチェーンへの影響

供給不足は、すべての半導体製品に同程度の影響を与えるわけではないようです。より成熟したノードが最も被害を受けると報告されており（10人中4人以上の回答者が、不足が130〜90nmおよび90〜40nmノードに重大なまたは深刻な影響を与えたと回答）、業界全体の緩和への取り組みが、主により高度なノードに集中しています。

半導体産業成長の未来

長期的には、半導体産業は年平均成長率（CAGR）7%で成長すると予想されています。最近の生産能力是正措置にもかかわらず、45％の回答者が半導体の見通しが依然として「低い」から「中程度」であると感じていることは注目に値します。2023年以降も過剰生産能力が続く可能性は、業界全体の大きな下降サイクルの引き金となり得る深刻なリスクだと言えます。

サプライチェーン問題の余波

企業への影響を具体的に見てみると、回答者の約10人に8人が自社で売上原価（COGS）の増加を経験しており、ファウンドリー価格が平均19％上昇したと回答しています。これらの増加を経験した企業のうち、80％が顧客単価の引き上げによって影響を緩和していました。

さらに、今回の調査に参加した専門家はさらなる生産能力の制約も指摘しており、10人中7人が「試験／認定能力の問題」、ほぼ同人数が「パッケージング／組み立て」の問題を経験していると回答しました。

まとめ

半導体の需要が増加しているにもかかわらず、COVID-19の操業停止によりチップ生産は被害を受けており、回答者はチップ需要に対する販売量に、平均して約20％のギャップを感じています。既存のファブレス半導体の生産能力の拡大から新しいファブ建設計画の加速、ポートフォリオの優先順位決定から重要な部品のノード移行まで、バリューチェーン全体で需給ギャップに対応するために、さまざまな緩和策が開始されています。これらの是正措置にもかかわらず、サプライチェーンの需給ギャップは2023年を通して続くと予想されています。

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その他の調査質問例

• 次の期間において、需給ギャップはどのように推移すると考えていますか？
• 在庫の積み増しと実際のセルスルーの観点から、実際の需要量の比率をどのように推定しますか？
• ファウンドリーサービス（ウェーハや材料）の値上げにより、売上原価（COGS）の増加に直面していますか？
• チップ不足は次のテクノロジーノードにどの程度影響するとお考えでしょうか？
• 次の製品クラスのうち、供給不足によって最も影響を受けるのはどれでしょうか？
• 供給能力の制約により、ファウンドリー間で製造量を変更しましたか？
• アジアからEUまたは米国へ移行するなど、ファウンドリーがグローバルサプライチェーンの地理的位置を積極的に調整すると予想しますか？
• 半導体の平均販売価格（ASP）の四半期ごとの上昇／下降についてどのようにお考えですか？

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GLGネットワークサーベイとは

GLGネットワークサーベイは、市場動向やトレンドについて業界の専門家を対象に調査を実施したもので、その結果をレポートにて提供しています。各調査は特定の業界に焦点を当てており、回答者はその業界の最新動向について深い専門知識を持つ方のみに限定されています。調査の内容が適切であることを確実にするため、ネットワークサーベイチームは、業界に精通したGLGアドバイザー（特定業界の専門家）と協力してアンケートを作成しています。GLGでは現在、さまざまな業界にわたって、毎月約12件のネットワークサーベイを実施しています。

GLGネットワークサーベイの標準的な納品物は以下の通りです。

• 調査回答／Excelのローデータ
• データを集計した PPTレポート
• 主要な要点と結論を含むエグゼクティブサマリー（特定トピックの調査のみ）
• 調査結果の詳細なパワーポイント報告書を、GLGアドバイザーがウェブキャストで発表（特定トピックの調査のみ）

＊2023年3月現在、納品物はすべて英語で提供しています。

GLGネットワークサーベイご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。