効果的な定性調査を実施する方法

効果的な定性調査を実施する方法

Read Time: 4 Minutes

「市場調査」と聞いて、最初に何を思い浮かべますか? 定量調査でしょうか? 定性調査を目的としたフォーカスグループでしょうか? あるいは、有識者や有識者グループへのインデプスインタビューでしょうか?

調査を検討されている企業の多くは、「何を知りたいか」がはっきりとしています。しかし、そのための最善の手法が必ずしも定量調査であるとは限りません。有識者への一連のインタビューにより、さらに優れたインサイトが得られることもあります。反対に、はじめから有識者へのインデプスインタビューを実施するつもりの企業に詳しく話を聞いてみると、有識者インタビューで求めているインサイトを得る前に、まず、他の調査を通じて基本的な知識を深める必要がある場合も少なくありません。

大まかに言うと、定量調査手法は「検証」を目的とする場合に適しています。例えば、大規模なターゲットオーディエンスにリーチして、新製品を購入する可能性を測定したり、適切なターゲットグループを対象に調査を実施して態度や感情を捉えたりする場合に最も効果を発揮します。一方、定性調査手法はより「探索的」であり、新製品のコンセプトやメッセージを考案する場合や、ターゲット層の動機、考え方、傾向を深く理解する場合などに多く用いられます。

ビジネス目標の設定

もっとも重要なのは、調査設計に取り組む前にビジネス目標を設定し、その調査から何を得たいかを明確にすることです。ビジネス目標を設定してはじめて、どのような種類の調査が必要かを検討できるようになります。この段階では、以下の4つの点を確認します。

  • 何を達成したいですか? この質問に答えるには、少し考える必要があるかもしれません。膨大な情報が必要だと思うかもしれませんが、多くの場合、焦点を絞った方がうまくいきます。次の質問に答えてみてください。「このプロジェクトが完了した時点で何が分かっていれば、次の段階へ進むことができますか? 1つか2つ挙げてください」
  •  ステークホルダーは誰ですか? 最終的に、この調査結果を誰に提示するのかを考えてください。直属の上司ですか? 別の国や地域で働く社員ですか? 外部のクライアント企業ですか? それによって、何を知る必要があるかだけでなく、それを達成するための最善の戦略も変わってきます。
  •  このインサイトをどのように利用しますか? 収集したインサイトの利用方法を明確にすることで、調査の前提となる仮説を立て、その仮説が正しいかどうかを検証するためのアプローチを策定できます。
  •  調査期間はどのくらいですか? インサイトを必要としているのが2~3週間後なのか、2~3か月後なのかによって、大きな違いが生じます。最終的な調査結果がいつ必要なのかを考慮し、その期間で目的の情報が得られるように、調査の規模と範囲を調整する必要があります。

早いように感じるかもしれませんが、調査の初期段階から、最終的に必要となるアウトプットに目を向けることが重要です。収集したインサイトを分析する際、どのような統合作業が必要になるかを考えてみてください。どの程度詳細な調査結果が必要でしょうか? 調査レポートの形式と構成は?他のデータソースを統合する必要がありますか?どのような方法で調査結果を提出しますか?

ビジネスニーズを明確に把握するほど、質問の答えを得るために適切な調査を設計できるようになります。

適切な定性的アプローチの選択

3つの主要な定性手法であるフォーカスグループ、オンラインディスカッションボード、有識者インタビューに焦点を当てて見ていきましょう。これらの手法は、それぞれ異なる種類のビジネスニーズに適しています。

  •  フォーカスグループ:専門性の高い少人数の有識者で一つのグループを構成し、そのグループ内でのディスカッションを観察して有識者がどのように反応するかを捉えることにより、より深いインサイトを得ることができます。この手法は、オンラインまたは対面での実施が可能です。通常、一つのフォーカスグループは、同じターゲットペルソナに属する4~5名の有識者で構成されます。フォーカスグループの使用を検討する場合は、次の点を確認してください。ターゲット母集団に均質性はありますか? 全員が同時刻に同じ場所に集まり、対話することができますか? トピックや特定の刺激要因に対する有識者の反応を見ることは重要ですか? これらのいずれかに当てはまる場合、フォーカスグループはあなたの調査目的に最適なソリューションだと言えます。
  • オンラインディスカッションボード:オンラインディスカッションボードは、より多くの回答者、より広範な地域、参加が困難な母集団にリーチすることが重要な場合や、多様なターゲットセグメントからデータを収集したい場合に最適なソリューションです。この手法は非同期式のため、参加者は、決められた期間内であればいつでもログインして回答ができます。オンラインディスカッションボードでは、多肢選択、ランキング、刺激要因の共有、ヒートマップなど、様々な質問形式を使用できるため、豊富で多様な情報を収集できます。ただし、ディスカッションボードは事前にプログラムされているため、必ずしも徹底した調査ができるとは限りません。そのため、複雑な購入プロセスやアンメットニーズをテストする場合や、ビジネスニーズを解決するために詳細な情報を得ることが目的である場合は、最適なソリューションと言えないかもしれません。
  • 有識者インタビュー:個人の深い考えや経験が不可欠な場合の調査に適したソリューションです。有識者インタビューでは、不明確な質問、多様な行動、市場ニーズの背後にある「理由」を明らかにすることができます。また、購入プロセスやユーザーエクスペリエンスを理解するための情報も得られます。

本記事は、「より深いインサイトの獲得 – 効果的な定性調査の実践ガイド」からの抜粋です。eBookをダウンロードして、定性調査手法や、重要な6つのステップについてのさらなる深掘りをご覧ください。

≪今すぐダウンロード≫

GLGでは、100万人以上の有識者を活用したインタビュー、定量調査、定性調査などををご提供しています。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

ニュースレター登録(無料)

業界の最新動向、無料ウェビナー情報、活用事例などをお届けしています。(メールは英語です。)